今回のJournal ClubはD4増田が担当しました。
・Motzko-Soares, A. C. P., R. C. L. Vizin, T. M. S. Martins, A. R. O. Hungaro, J. R. Sato, M. C. Almeida, and D. C. Carrettiero. 2018. “Thermoregulatory Profile of Neurodegeneration-Induced Dementia of the Alzheimer’s Type Using Intracerebroventricular Streptozotocin in Rats.” Acta Physiologica 224 (2): e13084.
アルツハイマー型認知症モデルラットを使用し、体温調節機能の変化を検討した論文です。アルツハイマー型認知症患者は深部体温の日内変動の位相が変化すること(Saltin et al., 1995)や、寒冷曝露により認知症の症状が悪化すること(Vandal et al., 2016)が知られておりました。しかし、アルツハイマー型認知症では活動量の変化など他の要因も関連するため詳細なメカニズムは明らかにされておりませんでした。この論文ではアルツハイマー型認知症モデルラットでは脳の萎縮と寒冷逃避行動が増加し、熱放散が抑制されることを示しております。アルツハイマー型認知症自体も深刻な病であり、根本的な治療法は確立されておりませんが、アルツハイマー型認知症に伴う生理的な変化もまだ詳細には明らかにされていないようです。