稲田大学 体温・体液研究室

ヒトの温度と水に関わる問題を解決する

Waseda University Body temperature and Fluid laboratory

2022/2/4 Journal Club

今回のJournal ClubはM2唐木が担当しました。
Castillo MR, Hochstetler KJ, Greene DM, Firmin SI, Tavernier RJ, Raap DK, Bult-Ito A. “Circadian rhythm of core body temperature in two laboratory mouse lines.”
ホイール走行活動の概日パターンと光誘起位相シフトの大きさが異なると報告されている2つのマウス系統(SNB, BNB)が、深部体温の概日発現においても異なるかどうかを、ホイール運動および明暗期の有無により調べています。
BNBはSNBに比べ、ホイールがないときの概日リズムの振幅が小さく、ホイールがあるときの振幅の増加が大きい傾向がありました。また、12h/12hの明暗サイクル(LD)がある時は深部体温は系統間で有意差はなく、24h全て暗期(DD)の時はわずかに有意差があるのみでした。
SNBがBNBに比べて概日リズムが強い傾向があることから、急速に変化する日長への同調を可能にし、北極圏などの極端な明暗サイクルの変化への適応が容易である可能性が示唆されました。
今後、明暗期およびホイール走行活動が概日リズムに及ぼす影響をさらに調べるには、個体間の活動量レベルの直接比較を含む実験デザインが有効である可能性が示されています。