稲田大学 体温・体液研究室

ヒトの温度と水に関わる問題を解決する

Waseda University Body temperature and Fluid laboratory

2022/10/6 Journal Club

今回のジャーナルクラブは片岡が担当致しました。

EMBO Rep. 2020 Mar 4;21(3):e48671. doi: 10.15252/embr.201948671.PMID: 32009302
The mechanoreceptor DEG-1 regulates cold tolerance in Caenorhabditis elegans
Natsune Takagaki, Akane Ohta, Kohei Ohnishi, Akira Kawanabe, Yohei Minakuchi, Atsushi Toyoda, Yuichiro Fujiwara & Atsushi Kuhara

耐寒性について、15℃で成長した野生型線虫は2℃の温度でも生存できるが、20℃や25℃で成長した線虫は生存できませんでした。このメカニズムについて線虫の一種である、C-elegansを用いて調べた研究です。
実験的にAINとAVJ介在ニューロン上にあるXDH-1を欠損させると、耐寒性が減少し温度変化に対する非定型な神経応答が見られた。XDHはヒトではプリン体の代謝に関わるキサンチン脱水素酵素である。AINとAVJ介在ニューロンは機械受容器を発現している上流の神経細胞、ASGに接続していた。このASGニューロンが機械受容器であるDEG-1を通して温かい気温へ応答することを明らかにした。
温圧感受性を持たない味覚ニューロンASEにDEG-1を発現させると、温熱感受性を獲得した。これらより耐寒性は機械受容器を介した経路に制御されていることが示唆された。