稲田大学 体温・体液研究室

ヒトの温度と水に関わる問題を解決する

Waseda University Body temperature and Fluid laboratory

2022/06/16 Journal Club

今回は研究員の渡邊が担当しました.
The Clamping of End-Tidal Carbon Dioxide Does Not Influence Cognitive Function Performance During Moderate Hyperthermia With or Without Skin Temperature Manipulation. Ricardo Schultz Martins, Phillip J. Wallace, Scott W. Steele, Jake S. Scott, Michael J. Taber, Geoffrey L. Hartley and Stephen S. Cheung. Frontiers in Psychology, 2021, 12. doi: 10.3389/fpsyg.2021.788027
熱中症などで惹起される深部温の増加は認知機能の低下を誘発します.しかし,深部温の変化がない皮膚温の増加時においても認知機能が低下することから,皮膚温と深部温の認知機能低下への寄与度を明らかにすることが1つ目の目的でした.かつ,深部温増加時には過換気誘発性の血中二酸化炭素分圧の低下により脳血流が減少するため,この脳血流の低下が認知機能の低下に寄与している可能性があるため,当仮説を明らかにすることが2つ目の目的でした.深部温と皮膚温をアイソレートし,かつ血中二酸化炭素分圧をクランプする実験の発送は非常に面白かったのですが,残念ながら,肝心の認知機能の低下を誘発することができなかったため(深部温が原因),目的を達成することはできていないという結果になっています.