稲田大学 体温・体液研究室

ヒトの温度と水に関わる問題を解決する

Waseda University Body temperature and Fluid laboratory

2021/04/09 Journal Club

新年度最初のJournal ClubはD4増田が担当しました。

  • Iwaniec, John, Gerard P. Robinson, Christian K. Garcia, Kevin O. Murray, Lucas de Carvalho, Thomas L. Clanton, and Orlando Laitano. 2021. “Acute Phase Response to Exertional Heat Stroke in Mice.” Experimental Physiology 106 (1): 222–32.

 労作性熱中症モデルマウスを用いて、急性期のタンパクの変化を肝臓、筋肉、血しょうで検討した論文です。STAT3->IL-6の経路で炎症が誘発され、SAA1が遅発して炎症抑制作用として肝臓および血しょうで増加することを示しいます。また、凝固因子fibrinの前駆因子であるfibrinogenが肝臓・血しょうでは減少するものの、骨格筋では増加するという点が興味深い点でした。労作性熱中症の病態は意外と明らかにされておらず、薬理的なアプローチなどができていない現状です。モデルマウスを用いて実験的に病態生理が解明されることが期待されます。

  • Bal, Aneesh, Fidel Maureira, and Amy A. Arguello. 2020. “SimpylCellCounter: An Automated Solution for Quantifying Cells in Brain Tissue.” Scientific Reports 10 (1): 12570.

 こちらはおまけです。機械学習を用いた、脳切片における細胞カウントプログラムに関する論文です。c-fosの発現において、従来から用いられていたImageJなどの方法より優れている( false positive/negativeが少ない)ことが示されています。git-hubにコードが公開されており、自由に使うことができます。Google colab.を利用することが推奨されております。

昨年度は更新が滞っておりましたが、今年度こそ更新を継続して参ります。

増田